カジノ

 2017.01.11

全日遊連店舗数1万店舗割れ。パチンコ業界売上高減少率はマイナス10%以上を継続。

全日遊連組合加盟店舗数が、昨年11月末時点において初めて1万軒を割り込みました。

2017年はまだスタートしたばかりですが、ここで改めて昨年2016年の業界データを振り返ってみることにします。

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2016年のパチンコ業界データを振り返ってみる

2016年のデータですが、全日遊連組合加盟店舗数については11月末、業界売上高増減率(経産省公表の特定サービス産業動態統計調査より)は10月末までのものが出て来ているので、それを見てみることにしましょう。

2016年の月別全日遊連組合加盟店舗数
店舗数
2015年12月 10,325
1月 10,315
2月 10,273
3月 10,210
4月 10,166
5月 10,139
6月 10,126
7月 10,092
8月 10,077
9月 10,044
10月 10,021
11月 9,993
2016年店舗数増減 -332

2016年の月別パチンコ業界売上高減少率(前年対比)
売上高減少率(%)
1月 -8.6
2月 -9.8
3月 -12.0
4月 -12.7
5月 -12.2
6月 -11.0
7月 -11.9
8月 -13.9
9月 -11.9
10月 -10.7
2016年平均値 -11.5

全日遊連組合加盟店舗数が、昨年11月末時点において初めて1万軒を割り込み、9,993軒となりました。

12月は撤去問題の期限に絡む閉店増を考慮したとしても、オープンラッシュ等があったので、店舗数水準にそこまでの変化はなかったものと思われます。

一方、業界売上高増減率のほうは、10月が前年対比「-10.7%」で依然マイナス2桁が続いており改善の兆しが見えていません。

これらのデータから2016年の業界データの推測値を出せるので、さらに直近10年間のデータと合わせてその推移を確認してみることにしましょう。

2016年の推測値と直近10年間のパチンコ業界データ

「店舗数1万軒割れ」が話題になっていますが、これは「全日遊連組合加盟店舗数」のことで、実際の店舗数が1万軒を割っている訳ではありません。

実店舗数は警察庁から毎年発表されており、2015年末時点での11,310軒という数字は、同じく2015年末時点の「全日遊連組合加盟店舗数」である10,325軒より約1000軒程度上回っていることになります。(つまり実店舗数は全日遊連データより約1000軒程度多いということ)

これは遊技機設置台数についても同様のことが云えます。

よって、既報値である「全日遊連データ」の増減率を使用して、2016年の実際の業界データを推測することにします。

それでは、直近10年間のパチンコ業界データの推移を以下に示してみましょう。

直近10年間のパチンコ業界データ
店舗数(店) 売上高(兆円) 粗利(兆円) 還元率(%) 遊技台数
(万台)
2006 14,674 37.6 4.47 88.1 489.9
2007 13,585 32.5 4.37 86.6 459.1
2008 12,937 28.4 4.32 84.8 452.6
2009 12,652 27.6 4.27 84.5 450.6
2010 12,479 25.3 3.95 84.4 455.4
2011 12,323 24.6 3.82 84.5 458.3
2012 12,149 24.8 3.78 84.8 459.2
2013 11,893 24.1 3.63 84.9 461.2
2014 11,627 23.5 3.50 85.1 457.5
2015 11,310 22.3 3.32 85.1 458.0
2016 10,946 19.7 ---- ---- 450.0

こうして改めて見てみると、10年前の2006年と今の業界状況との違いに驚かされます。

2006年は売上高も凄かったが、還元率も高く88%を超えています。

店舗数は、この10年間で約3700軒程度減少し、直近5年間では毎年300軒近くの減少ペースとなっています。

売上高に至っては、10年間で48%減少、直近5年間では20%の減少ということ。

その割には、遊技台設置台数の変化があまり見られない。

これは、よく言われるようにパチンコ店舗の大型化が進んでいるということだと思われます。

果たしてこれから、5年後、10年後のパチンコ業界の未来は一体どのようになっているのでしょうか?

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