カジノ

 2017.08.18

【2017年】パチンコ業界に対する今回の規則改正案の内容について考察してみよう【ギャンブル依存症対策】

このところ規制続きのパチンコ業界において、さらに追い打ちをかけるように新たな規制が加わろうとしている。

2018年2月1日より施行される予定の「風営適正化法施行規則及び遊技機規則の改正」である。

この規則改正案は7月11日に警察庁から公表されており、パブリックコメントの募集受付は、既に8月9日を以て終了している。

パブリックコメントによって修正案が出される可能性もあり、まだ本決まりという訳ではないが、今回の規則改正案の内容について考察することは非常に重要であろう。

なぜなら、今後のパチンコ業界の行方を大きく左右する出来事だからである。

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今回の規則改正案の背景について

規則改正案の内容に触れる前に、まずはそれに至る背景を足早に追ってみよう。

昨年12月、IR推進法案(カジノ法案)が成立し、その付帯決議にギャンブル等依存症対策が盛り込まれた。

ギャンブル依存症者の大半を抱えていると思われていたパチンコ業界にとって、ギャンブル依存症対策への対応が急務となった訳である。

案の定、パチンコ業界団体と警察庁は、今年に入り様々なギャンブル依存症対策を打ち出してきた。

「リカバリーサポート・ネットワーク」の一般ユーザーへの周知徹底や「安心パチンコ・パチスロアドバイザー」の養成、「自己申告プログラム」の各店舗への拡充など、それらは主に業界側が作成した「依存問題対応ガイドライン」に沿った形で行われてきていた。

そんな中、今度は警察庁の側から「遊技機規則の改正」という超弩級の爆弾が降ってくることになる。

元々昨年末の早い段階で、パチンコ出玉の規制については話が出ていたのだが、それにしても今回の規則改正案の内容は従来の予想を遥かに超えるような厳しいものだったのである。

規則改正案が発表されるまでの経緯について少し話を戻そう。

警察庁は6月19日、業界6団体の代表者を招集し、射幸性抑制の観点から「遊技機の大当り時の最高出玉を抑制する」ほか、「遊技機試験の方法の変更」、「パチンコにおける6段階設定」や「管理遊技機の採用」、「賞品の最高限度額の引き下げ」などの方向性を示した。

これを受け6団体は、改正案への意見・要望を警察庁に提出することとなった。

そして最終的に、7月11日に警察庁から規則改正案の発表とパブリックコメントの受付が開始されたのだが、この時、「出玉率に関する上限値」の変更や「賞品の最高限度額の引き下げ」が見送られるなど、当初案よりも若干の緩和方向への修正が入ったのである。

緩和されたといっても大筋に変更はないので、依然パチンコ業界にとっては厳しい内容のままであるのに違いはない。

以上が規則改正案の公表までの大体の流れで、これから内容の考察を行いたいと思っているのだが、その前に理解の助けとなるいくつかの基本的なパチンコ用語について解説しておきたい。

パチンコ台における出玉率と差玉について

規則改正案の内容を考察するにあたり、パチンコ台における「出玉率」と「差玉」の理解が必要となるが、分かる人には周知の事実なので、このパートは飛ばしてもらって構わない。

まず大前提として、パチンコ台の玉の発射個数は1分間で100個であり、従って1時間で6千個、10時間で6万個ということを頭に入れておいて欲しい。

それでは以下に必要なパチンコ用語の説明を列挙しておく。

・アウト
お客さんが発射したパチンコ玉の個数。
・セーフ
払い出されたパチンコ玉の個数。
・差玉
セーフからアウトを引いたもの。つまりお客さんが獲得したパチンコ玉の個数。(従来はアウトからセーフを引いたものであるが、ここではユーザー側からの視点が必要になるため都合上、逆にしている)
・出玉率
アウトをセーフで割ったもの。アウトに対するセーフの比率。通常はパーセンテージ(%)で表わされる。

ここで一つ触れておきたいのは、「差玉」というものが純粋にお客さんが獲得した玉の個数であり、それに換金率を掛ければ「お客さんの儲け金額」になるということ。

これ以降、換金率については、等価交換(4円交換)を用いて「お客さんの儲け金額」を取り扱うことにする。

それでは次章で今回の規則改正案の内容を詳しく見ていくことにしよう。

今回の規則改正案では一体何が変わったのか?

今回の規則改正案の内容については以下のリンクから。

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則

様々な変更点や追加事項がある中で、主なポイントを挙げるとするならば、

  • 大当り時の最大出玉の引き下げ
  • パチンコ台に6段階の設定を許可
  • 試射試験における出玉率の変更
  • 管理遊技機に関する規定の追加
となる。

当サイトでは特に、パチンコの「試射試験における出玉率の変更」に着目し考察していくことにする。

それでは以下、「試射試験における出玉率の変更点」について具体的に示してみよう。(「儲け金額の上限の変化」については当サイトが独自に追加)

出玉率の変更点
試射試験の時間 現行規則 改正案
1時間 300%まで 33.3%~220%まで
4時間 規定ナシ 40%~150%まで
10時間 50%~200%まで 50%~133.3%まで

儲け金額の上限の変化
試射試験の時間 現行規則 改正案
1時間 4万8千円まで 2万8千8百円まで
4時間 規定ナシ 4万8千円まで
10時間 24万円まで 8万円まで

「儲け金額の上限」については、「出玉率」の上限から計算出来るが、これは前章を参考にしてもらえれば分かり易いと思う。

パチンコ台が「遊技規則の規定」に適合しているかを判定する「型式試験」において、従来は「1時間試射試験」と「10時間試射試験」のみだったのが、今回、「4時間試射試験」が新たに追加された。

これについて、マスコミ等でも「4時間遊技での儲け額が5万円以下になる」と話題になったのは記憶に新しい。

現行規則から改正案への変化において、当サイトが最も注目しているのは、「10時間試射試験」における「出玉率の上限」が「200%→133.3%」、つまり「3分の2」の変化率であるのに対し、「儲け金額の上限の変化」の方は「24万円→8万円」となり、「3分の1」へと激減していること。

これは、出玉率だけを弄って「アウトのスピード」(1分間100個のパチンコ玉発射スピードのこと)を変更していないことが原因なのだが、それにしても余りに極端かつ危険な規制であると思う。

「儲け金額の上限の抑制」は「射幸性の抑制」、つまり「出玉の波が緩やかになる」ことに繋がる訳だが、今回のような極端な規制は、来年2月以降、新規則の下で新しい遊技機が市場に浸透していくにつれ、大幅な業界売上高の減少とユーザー離れを引き起こす可能性がある。

まとめ

正直、今回の規制案の内容を最初に確認した時、非常に驚いた。

これまで警察庁は、一連のパチンコ業界に対する様々な厳しい規制をしてきた訳だが、結局のところ、業界全体へ多大に影響を及ぼしてしまうような決定的な処置までは、まだ行っていない。

しかし今回は違う。

規則改正において「遊技機の射幸性基準を変更する」ということは、「業界全体をパラダイムシフトさせる」ことと同義語だ。

この負の方向へのパラダイムシフトは、前章の最後で述べた様に、大幅な業界売上高の減少とユーザー離れを誘発する可能性がある。

ところで、警察庁によって「パチンコの試射試験における出玉率の変更」が行われた経緯を、もう一度ここで確認してしておこう。

それらは、以下のようになる。

  1. 「ギャンブル等依存症対策推進関係閣僚会議」が取りまとめた「ギャンブル等依存症対策の強化に関する論点整理」において、「ギャンブル依存症対策」として「出玉規制基準の見直し」を行うことが盛り込まれた。
  2. 1 を踏まえ、遊技者による過度な遊技を抑止するため、「儲け金額を4時間で5万円以下にする」ことが目標に据えられた。
  3. 2 の目標を達成するため、「4時間試射試験」の新たな導入と「出玉率」が定められ、これを基準に既存の「1時間試射試験」と「10時間試射試験」の「出玉率」も変更された。

以上が経緯であるが、ここで問題になってくるのは、「『儲け金額を4時間で5万円以下にする』ことが、本当に『ギャンブル依存症対策』になるのか?」という点であろう。

この点について警察庁は、リカバリーサポート・ネットワークのデータを参考にしたとされるが、リカバリーサポート・ネットワークの西村代表理事は、「RSNが報告書等で発表した相談データは、遊技性能の規制根拠となるようなものではなく、5万円や4時間等の具体的な数値設定が依存のリスク軽減につながるとした報告は行っていない」と明言している。

さらに、業界団体の全日遊連も、依存症リスクと射幸性に関して、確たる数値的根拠が示されている訳ではないという立場を取っているのだ。

どうやら警察庁は、学術的データ等の根拠なくして、独断により今回の「出玉規制の数値」を設定してしまったようである。

今パチンコ業界は、かつてないほどの重大な局面に立たされているのではないだろうか?

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