2016.01.07 2016.05.18
一般入賞口にパチンコ玉がたくさん入るようになると一体なにが起きるのか?
最近パチンコ業界で、一般入賞口問題が話題になりました。
ちなみに一般入賞口というのは、ヘソ以外のオマケ穴のようなもので、そこに入ると10個とかの戻り玉が得られるようなものを指します。
警察の再三の言及にも拘らず、現在もホールの一般入賞口は潰されたままです。
そんな中で、「この一般入賞口の釘を、今すぐ検定基準を満たすように開けたら一体どうなるのだろうか?」と思い立ったのが、本コラムの始まりでした。
それではまず、一般入賞口問題の復習と現状からお知らせしていきます。
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カジノ合法化で何が起こる?
本題に入る前に、一般入賞口問題についての復習をしておきましょう。事の経緯に関しては、前回のコラムに書きました。
(参考)最近の一般入賞口における釘調整問題について
簡単に説明すると、以下のようなことを警察が言っているということ。
『現在ホールに設置してあるパチンコ台は、保通協検査時とは異なる仕様のものがほとんである。要するに、保通協検査時とは異なる状態に一般入賞口の釘が曲げられ、戻り玉が不当に減らされているということ。だから、パチンコ台を検定通過時と同じ状態で出荷し営業するようにしなさい。』
(参考ページ)遊技日本|警察庁・大門課長補佐講話(全文)
さらに警察は、現在ホールに存在する検定基準をクリアしていないパチンコ台の回収・撤去の要請もしてきている。
これにより今後は、メーカー側で新しい基準のパチンコ台の開発が進み、逐次ホールに導入されていくと思われるのである。
では、「新しい基準のパチンコ台」とは如何なるものであろうか?
おそらく、通常遊技時に於いても頻繁に一般入賞口に玉が入るようなベースの高いもので、それに耐えうるスペックを有したパチンコ台であると思われる。
そこで当サイトは今後も見据え、『今ホールにあるパチンコ台に対し、検定基準を満たすように一般入賞口の釘を開けていった場合どうなるか?』というテーマの考察を、二種類のパターンによるシミュレーションで行うことにした。
これには先ず、一般入賞口の現状を知ることから始めなければならない。
実をいうと一般入賞口問題に関しては、「遊技産業健全化推進機構」が「遊技機性能調査」という名目で、6月から一般入賞口への入賞状況を調査していたのだ。
それらの結果は既に公表されている。
(参考ページ)遊技日本|遊技機性能調査、最新結果公表
(参考ページ)web GreenBelt|半年間の調査結果を発表〜遊技機性能調査
■11月
・有効調査台数
123店舗197台
・一般入賞口への入賞が確認された遊技機の台数
107台(全体の54.3%)
・入賞が確認された台の入賞球数内訳
1~3個 34台
4~6個 20台
7~9個 8台
10個以上 45台
■直近6カ月累計
・有効調査台数
443店舗715台
・一般入賞口への入賞が確認された遊技機の台数
318台(全体の44.5%)
・入賞が確認された台の入賞球数内訳
1~3個 188台
4~6個 55台
7~9個 21台
10個以上 54台
6ヶ月間の調査結果では1台あたりの平均打ち出し個数は2,960個。
11月は、平均2,970個の打ち出しに対し、一般入賞口への入賞球数が10個以上確認された台数が45台。確認された入賞球数は「1〜96個」と報告している。
上の調査結果を考察してみて分かるのは、現在のホールを一般入賞口の状態で分類すると、通常の正規分布をするのではなく、凡そ次の三つの群に集約されるのではないかということ。
-
一般入賞口がほぼ潰されてる店(約3000個の打ち出しに対し入賞0個)
-
一般入賞口がそんなに潰されてない店(約3000個の打ち出しに対し入賞1~10個)
-
一般入賞口が潰されてないと思われる店(約3000個の打ち出しに対し入賞10個以上)
そんな中、当サイトは上の二つ目の群の中でも、最頻値である「打ち出し約3000個で一般入賞口への入賞1~3個」を最重要視することにした。
これを踏まえて、当サイトでは「現状のホールでの一般入賞口への入賞確率」を「2/3000=1/1500」、つまり「1/1500」程度と仮定し、本コラムのシミュレーションに使用する。
最初に、シミュレーションに関連するパチンコ用語の説明を以下に列挙する。
- ・B(ベース)
- 通常遊技時の1分間あたりのパチンコ玉の払い出し個数。つまり、パチンコ玉を100個打ち出した時の戻り玉の個数。
- ・BY(ベース寄り)
- パチンコ玉を100個打ち出した時の一般入賞口からの戻り玉の個数。(注1)
- ・S(スタート)
- 通常遊技時の1分間あたりのヘソ入賞個数。つまり、パチンコ玉を100個打ち出した時のヘソ入賞個数。
- ・ヘソ入賞確率
- パチンコ玉を打ち出した時、その玉がヘソに入賞する確率。
- ・一般入賞口入賞確率
- パチンコ玉を打ち出した時、その玉が一般入賞口に入賞する確率。
- ・回転率
- 1000円あたりのデジタル回転数のこと。
これ以降の考察では、「ヘソ賞球数は3個」「一般入賞口の賞球数は10個」というのを前提条件にする。さて今度は、上で列挙したパチンコ用語の間で成り立つ式を見てみよう。
-
① B(ベース)= BY(ベース寄り)+ S(スタート)× 3(ヘソ賞球数)
-
B(ベース)というのは、一般入賞口からの戻り玉数とヘソ入賞からの戻り玉数を足したものになる。
-
②(ヘソ入賞確率)= S(スタート)÷ 100(1分間の発射個数)
-
100個の打ち出しで、S(スタート)だけヘソに入賞するので、ヘソ入賞確率はS(スタート)を100で割ることにより求められる。
-
③ BY(ベース寄り)= (一般入賞口入賞確率)× 100(1分間の発射個数)× 10(一般入賞口賞球数)
-
「100発打ち出した時、一般入賞口に入賞する個数」に、一般入賞口賞球数を掛けたものがBY(ベース寄り)となる。
ベースとその他の入賞確率との関係は、だいたいお分かり頂けたでしょうか?
ここで、実際にベースを計算する例題をいくつか挙げてみましょう。
一般入賞口が完全に潰されているパチンコ台の S(スタート)が 5.5 の時、ベースとヘソ入賞確率はいくつになるか?
この場合、一般入賞口からの戻り玉が存在せず BY が 0 であると考えられるので、ヘソからの戻り玉のみを考慮し「5.5 × 3 = 16.5」、つまり 16.5 がベースとなる。ヘソ入賞確率の方は「5.5 ÷ 100 = 1/18.2」と計算できる(参考 式②)。
さて、もう一例いってみよう。一般入賞口に 1/1500 の確率で玉が入賞するパチンコ台の、S(スタート)が 5.5 の時、ベースとヘソ入賞確率はいくつになるか?
この場合、BY(ベース寄り)は「1/1500 × 100 × 10 ≒ 0.7」つまり、0.7 となる(参考 式③)。よって、ベースは「0.7 + 5.5 × 3 = 17.2」と計算できる(参考 式①)。ヘソ入賞確率は上で出てきた例と同じ 1/18.2。
さて、これでだいたいの準備は整いました。それでは次章で実際のシミュレーションを行ってみるとこにしましょう。
※(注1)本来ならば、ヘソのオーバー入賞を考慮しなければならないが、後で行うシミュレーションを単純化するためここでは無視している。
前章の最後で、『一般入賞口入賞確率が 1/1500 、S(スタート)が 5.5 、ベースが 17.2 のパチンコ台(ヘソ入賞確率は 1/18.2)』の例が出てきました。
そして前々章では、現在ホールにあるパチンコ台の一般入賞口入賞確率を 1/1500 に仮定していたのでした。
今回は、「このパチンコ台の状態」を出発点にしてシミュレーションを行うことにする。
さてパチンコ台は現在、次のような初期状態にある。
-
一般入賞口入賞確率は 1/1500
-
ベースは 17.2
-
ヘソ入賞確率は 1/18.2
-
回転率は 16.6
先ずは、このパチンコ台の一般入賞口の釘を、『回転率(千円あたりのデジタル回転数)を変化させないようにヘソ釘を調整しながら』徐々に広げていった場合どうなるのだろうか?
一般入賞口の釘を回転率を変化させずに徐々に広げていった場合の
シミュレーション結果
千円あたりのデジタル回転数(回転率)を一定に保ちながら、一般入賞口の釘を徐々に広げていく過程に於いて、次の一連の出来事が起きることになる。
一般入賞口の釘を広げる ⇒ 一般入賞口への入賞確率が上がる ⇒ B(ベース)が増える ⇒ 玉持ちが良くなるのでヘソ入賞の頻度を減らす必要性が出てくる ⇒ ヘソ釘を締める ⇒ ヘソ入賞確率が下がる
これらを踏まえてシミュレーションを行った結果を以下に掲載する。
一般入賞口の釘を回転率を変化させずに徐々に広げていった場合の
シミュレーション表
B (ベース) |
一般入賞口 入賞確率 |
千円あたりの 一般入賞口への 入賞数 |
ヘソ入賞確率 |
体感回転率 |
千円あたりの 打ち込み玉の 総個数(個) |
各打ち込み玉総個数の基準値に対する比率 |
17.2 |
1/1500 |
0.2 |
1/18.2 |
16.6 |
302 |
1.00 |
20 |
1/246.1 |
1.3 |
1/18.8 |
15.9 |
312 |
1.04 |
25 |
1/99.4 |
3.4 |
1/20.1 |
14.8 |
333 |
1.10 |
30 |
1/62.3 |
5.7 |
1/21.5 |
13.6 |
357 |
1.18 |
35 |
1/45.3 |
8.5 |
1/23.2 |
12.5 |
385 |
1.27 |
40 |
1/35.7 |
11.7 |
1/25.1 |
11.4 |
417 |
1.38 |
45 |
1/29.4 |
15.5 |
1/27.4 |
10.3 |
455 |
1.51 |
50 |
1/25 |
20.0 |
1/30.1 |
9.3 |
500 |
1.66 |
55 |
1/21.7 |
25.6 |
1/33.5 |
8.3 |
556 |
1.84 |
60 |
1/19.2 |
32.5 |
1/37.7 |
7.3 |
625 |
2.07 |
65 |
1/17.2 |
41.4 |
1/43 |
6.3 |
714 |
2.37 |
70 |
1/15.6 |
53.4 |
1/50.2 |
5.3 |
833 |
2.76 |
(参考)パチンコ用語
この表について少し補足説明をしておこう。
「千円あたりの打ち込み玉の総個数」とは、千円分(250個分)の玉が全部無くなるまでに、打ち込まれた玉の総個数のこと。
「各打ち込み玉総個数の基準値に対する比率」とは、表一番上ベース 17.2 の時の「千円あたりの打ち込み玉の総個数」である 302 個を基準値とし、その他の「千円あたりの打ち込み玉の総個数」との比率を表したものである。
では、体感回転率とは一体何だろうか?
これは所謂、『打っている人が実際に体感する「千円あたりのデジタル回転数(回転率)」』のことである。そして体感回転率は、それぞれのヘソ入賞確率から逆算して求める事が出来る。
表を上から下へ眺めて見れば、回転率一定(初期状態の16.6 )のもとでは、一般入賞口入賞確率が上がって行き一般入賞口からの戻り玉が増えていく過程で、ヘソ入賞頻度(ヘソ入賞確率)を下げなければならないのが分かる。
つまり、戻り玉が多く玉持ちは良いが、ヘソに玉がなかなか入らない状態になってしまう。
一般入賞口の釘を回転率を変化させずに徐々に広げていった場合の
シミュレーション結果から読み取れること
全体的に言えることは以下の二点。
-
一般入賞口の釘が開きベースが上がるにつれて、ヘソ入賞確率は低下し体感回転率も下がっていく。
-
一般入賞口の釘が開きベースが上がるにつれて、「千円あたりの打ち込み玉の総個数」が増えていく。
これらに対する考察を、遊技者目線から以下に述べてみる。
-
体感回転率の低下、つまりデジタル回転間隔の間延びによるストレスの発生が起こる。(ユーザビリティの低下)
-
千円で打ち込める玉の総個数が増えることにより、遊技時間自体が上昇し、単位時間あたりの投資金額の減少が起こる。(ユーザビリティの向上)
今度は個別の項目に目を向けてみよう。シミュレーション結果の表に於いて、初期状態の「ベース 17.2」と「ベース 40」を比較してみる。(表のオレンジ色の部分)
「ベース 40」というのは、今後のパチンコ台に於いて、役物比率をクリアする上での一つの目標とされる数値である。役物比率とは全獲得玉の内で大当たり分の比率のことを指す。
(参考)公安委員会規則
さて、話を「ベース 17.2」と「ベース 40」の比較の方に戻そう。
驚くべきことに、「ベース 40」の場合の体感回転率が「ベース 17.2」 の 16.6 回転より 5.2 回転も下がって、11.4 回転になってしまうのである。(シミュレーション結果の表)
これだけデジタルの回転頻度が低下してしまったら、打っていて全く楽しくないだろう。
もう一つ注目すべきことは、「ベース 40」の場合、「千円あたりの打ち込み玉の総個数」が 417 個となり、「ベース 17.2」の 302 個の 1.38 倍に増えていること。(シミュレーション結果の表)
平たく言うと、1.38 倍分の通常遊技時間の増加が起こり、それだけ長く遊べるようになるということだ。これは逆に言うと、単位時間あたりの投資金額の減少を引き起こし、引いてはユーザーの財布を痛めなくすることにも繋がる。
纏めると、「ベース 40」では「ベース 17.2」の時よりデジタルの回転間隔が間延びするというデメリットが発生するが、代わりに遊技時間の上昇というメリットが生じるということ。
続いて今度は、一般入賞口の釘を徐々に広げていく際に、その他の釘を全く弄らなかった場合にどうなるのかということを考えてみよう。
一般入賞口の釘のみを徐々に広げていった場合の
シミュレーション結果
今回のシミュレーションも、出発点である初期状態は前回と同じ所からとする。以下に再掲。
-
一般入賞口入賞確率は 1/1500
-
ベースは 17.2
-
ヘソ入賞確率は 1/18.2
-
回転率は 16.6
その他の釘を全く弄らずに、一般入賞口の釘のみを広げていくことになるので、ヘソ入賞確率は変化せず一般入賞口入賞確率だけが段々と上昇していく。このことを踏まえたシミュレーション結果を以下に掲載する。
一般入賞口の釘のみを広げていった場合の
シミュレーション表
B (ベース) |
一般入賞口 入賞確率 |
千円あたりの 一般入賞口への 入賞数 |
回転率 |
千円あたりの 打ち込み玉の 総個数(個) |
各打ち込み玉総個数の基準値に対する比率 |
17.2 |
1/1500 |
0.2 |
16.6 |
302 |
1.00 |
20 |
1/285.7 |
1.1 |
17.2 |
313 |
1.04 |
25 |
1/117.6 |
2.8 |
18.3 |
333 |
1.10 |
30 |
1/74.1 |
4.8 |
19.6 |
357 |
1.18 |
35 |
1/54.1 |
7.1 |
21.2 |
385 |
1.27 |
40 |
1/42.6 |
9.8 |
22.9 |
417 |
1.38 |
45 |
1/35.1 |
13 |
25.0 |
455 |
1.51 |
50 |
1/29.9 |
16.8 |
27.5 |
500 |
1.66 |
55 |
1/26 |
21.4 |
30.6 |
556 |
1.84 |
60 |
1/23 |
27.2 |
34.4 |
625 |
2.07 |
65 |
1/20.6 |
34.6 |
39.3 |
714 |
2.37 |
70 |
1/18.7 |
44.6 |
45.8 |
833 |
2.76 |
(参考)パチンコ用語
今回のシミュレーション表に出てくる用語に関しては、前回のシミュレーション表のものに準拠する。
その他の釘を弄らないということは、ヘソ入賞確率も初期状態の 1/18.2 で変化しない。
よって一般入賞口の釘を徐々に広げていった場合、戻り玉の増加と共に素直に回転率は上昇していくことになる。
一般入賞口の釘のみを徐々に広げていった場合の
シミュレーション結果から読み取れること
全体的に言えることは以下の二点。
-
一般入賞口の釘が開きベースが上がるにつれて、回転率(千円あたりのデジタル回転数)も上昇していく。
-
一般入賞口の釘が開きベースが上がるにつれて、「千円あたりの打ち込み玉の総個数」が増えていく。
これらに対する考察を、以下に述べてみる。
-
回転率の上昇はユーザーの利益となるが、ホール側からすると利益の損失。(ユーザーの利益増加、ホールの利益損失)
-
千円で打ち込める玉の総個数が増えることにより、遊技時間自体が上昇し、単位時間あたりの投資金額の減少が起こる。(ユーザビリティの向上)
今度は個別の項目に目を向けてみよう。シミュレーション結果の表に於いて、初期状態の「ベース 17.2」と「ベース 40」を比較してみる。(表のオレンジ色の部分)
「ベース 40」の場合の回転率が「ベース 17.2」 の 16.6 回転より 6.3 回転も上がって、22.9 回転になっているのが分かる。(シミュレーション結果の表)
当たり前の事だが、これだけ回転率が上昇してしまったらホールは完全に赤字営業となるだろう。
もう一つ注目すべきことは、「ベース 40」の場合、「千円あたりの打ち込み玉の総個数」が 417 個となり、「ベース 17.2」の 302 個の 1.38 倍に増えていること。(シミュレーション結果の表)
これは、前回のシミュレーションの値と全く同じになっている。従って、これに伴う考察も前回のものと一緒になる。
つまり、通常遊技時間の増加と単位時間あたりの投資金額の減少を、ユーザーにもたらすことになるのだ。
シミュレーションを振り返ってみる
現在ホールに置いてあるパチンコ台のほとんどは保通協の検定基準を満たしておらず、従って役物比率もクリアしていない。
そんな中で、『今ホールにあるパチンコ台に対し、検定基準を満たすように一般入賞口の釘を開けていった場合どうなるか?』というテーマの考察を行うため、二つのシミュレーションを実行してみたわけである。その際、ホールが目標とするであろうベース 40 という値を特に重要視した。
さて、シミュレーションの結果、まず分かったことは、一番目のシミュレーションに沿うような形で釘調整を行った場合、ユーザーの遊技時間の上昇というメリットを生むが、デジタル回転頻度の低下というデメリットも生じてしまうということ。
これはおそらく、ユーザーのパチンコ離れを引き起こすと思われる。玉持ちが良くても、デジタルの周りが悪いとイライラするからである。よって、二番目のシミュレーションに沿うような形で釘調整を行わざるを得なくなる。
しかし、この場合には回転率が上昇してしまい、ホールは赤字営業を迫られるようになるだろう。ホールが赤字を防ぐには、客側に差玉があっても利益を出せるように、換金率を下げるしかない。
ところで、メーカー側の立場からすればどうなるのだろうか?
メーカーも、二番目のシミュレーションに沿うような形のパチンコ台を開発してくるのではないかと考えられる。
つまりそれは、「ベースを上げることによる回転率の上昇」に対応した、「今よりも高いボーダーライン」のパチンコ台なのではないかと思う。
本コラムでは、『今ホールにあるパチンコ台に対し、検定基準を満たすように一般入賞口の釘を開けていった場合どうなるか?』という疑問から出発し、二種類のシミュレーションを行ってみた。そして、各シミュレーション結果に関する考察も該当する章で行った。
それでは、シミュレーションの結果を考慮した上で、今後のパチンコ業界の流れを予測し以下に記してみることにしよう。
-
ホールに於いては低換金化が進む。
-
メーカーは今後、新基準の「高ベース、高ボーダーライン」のパチンコ台を開発しリリースしてくる。
-
ユーザーには、新基準のパチンコ台が浸透するにつれて、投資金額の減少と遊技時間の上昇という傾向が表れてくる。
上記の予測は、あくまで当サイト独自の見解である事をご了承ください。
しかし、本コラムのシミュレーションに関しては精確に行われており、その結果は妥当なものであると思われます。
ここまでお付き合い下さりどうもありがとうございました。
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