2016.08.11
東京にカジノができる!?今後はギャンブル依存症対策が問題となりそう。
参議院選挙圧勝による自民党の衆参両院単独過半数確保と都知事選での小池百合子氏の当選などにより、カジノ合法化にかつてないほどの追い風が吹いています。(前回のコラム参照)
そんな中、先日、小池百合子氏がNHKとのインタビューにおいて、IR(カジノを含む統合型リゾート)について言及しているので、その内容を振り返ると共にいくつか考察を加えてみることにします。
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カジノ合法化で何が起こる?
東京都知事の小池百合子氏は8日のNHKとのインタビューで、外国人観光客の増加に向け東京の魅力を高めるためにも、IR(カジノを含む統合型リゾート)の誘致に前向きの姿勢であることを示しました。
(参考ページ)NHKニュース|小池都知事 カジノ含む複合型観光施設誘致に前向き
「国際観光産業振興議員連盟」(IR議連、カジノ議連)のメンバーでカジノ推進派でもある小池百合子氏ですが、恒常的なインバウンドの受け皿としてIR(カジノを含む統合型リゾート)のことを考えていることが分かります。
しかし一つ気になるのが、ギャンブル依存症などの課題への対策も必要になるという考えを示していること。
御存知の通り、日本には既に「パチンコ」という「ギャンブル市場」が存在しており、一時期「ギャンブル依存症」の問題を取り沙汰されたことがありました。
この時のことは、厚生労働省研究班の調査で「ギャンブル依存症」の疑いがある人が、国内に計536万人いると推計されるという報道がきっかけだったと思います。
536万人の内の8割がパチンコ由来とされていたので、当然パチンコ業界が「ギャンブル依存症」の主犯格として槍玉に上げられることになったのです。
実は、この数字の信憑性については甚だ疑問視されており、調査方法に問題点があるのではないかということも指摘されています。(後のコラムでこの話題を取り扱うかもしれません。)
しかしながら、世間一般では未だにこの時の数字のインパクトが残っており、「パチンコ」≒「ギャンブル依存症」という図式を思い起こす人が多いように思われます。
今年の秋の臨時国会でカジノ合法化の論議が進むにつれ、この「ギャンブル依存症」の問題が取り沙汰される時に、少なからずパチンコ業界にも飛び火していく可能性はあるでしょう。
パチンコ業界は、独自に「ギャンブル依存症」への対策として、「リカバリーサポートネットワーク」の支援や「パチンコ店における依存(のめり込み)問題対応ガイドライン」、「対応運用マニュアル」の実施などを行っているのも事実です。
これらの活動については一定の評価を与えられるべきなのですが、まだまだ世間一般に周知されているとは言い難い状態なのではないでしょうか。
直近の「撤去問題」や「遊技くぎ問題」におけるパチンコ業界の対応を見てみれば分かる様に、この業界というのは常に対応が後手後手にまわっているような印象があります。
再び「ギャンブル依存症」の問題がクローズアップされる前に、パチンコ業界は先手を打ってこの問題に真摯に対応していくことが必要なのではないかと思われます。
元々、石原慎太郎都知事の頃から「お台場カジノ構想」が提唱されており、東京におけるIRの最有力候補は「お台場」なのではないかと思われます。
お台場の優位性としては、広大な都有地が存在すること、空港へのアクセスが良いこと、一定のインバウンドを取り込むことが出来る可能性があることなどが挙げられると思います。
さらに、IR担当部署が政策企画局から港湾局に移っていることも、お台場カジノを裏付ける動きなのではないでしょうか。
小池百合子氏のNHKとのインタビューでのIRへの前向き発言が報道された8日から、いくつかのカジノ関連銘柄が材料視され株価が上がっています。
これからも、こういったIRに関する報道がなされる度にカジノ関連株が反応していくのでしょう。
銘柄別では、テックファームやユニバーサルなどが大幅高しています。
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