2016.11.23
【撤去問題】12月末撤去期限における業界団体のペナルティと警察庁の方針【パチンコ最終(3次)撤去リスト】
11月も下旬に差し掛かり、パチンコ最終撤去リストの12月末最終期限まで、1ヶ月と少しを残すところとなりました。
そこで今回のコラムでは、撤去問題の直近の動向や業界団体によるペナルティなどの話題を取り上げてみようと思います。
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カジノ合法化で何が起こる?
直近の撤去状況として、まずは新基準機「CR花の慶次X~雲のかなたに~」の導入により、旧基準機「CR真・花の慶次L3-K」の撤去が進んだことが挙げられます。
撤去対象機種で最大の設置台数を誇る「CR牙狼魔戒ノ花」に至っては、予想通り残存台数にあまり変化がなく、撤去が進んでいません。
おそらく、ホールとしては、まだ客の付いている「CR牙狼魔戒ノ花」を年末まで稼働させていくつもりなのでしょう。
現時点(11月23日)の撤去対象機種の全残存台数の推定値は約17万台程度となっており、これを12月末までの1ヶ月ちょっとで撤去・回収していかなければならないことになります。
(参考)
パチンコ最終撤去リスト全機種の残存台数と残存率(推定値)
12月に入っていくと、新基準機の新台入替が大量に控えていて、それに伴った撤去・回収も進んでいくと思われ、年末までに撤去完遂出来るかが注目されるところです。
中古機流通協議会は11月17日、12月末撤去期限を守らないホールに対するペナルティを決議した模様です。
中古機流通協議会は11月17日、回収対象遊技機を本年12月31日の回収・撤去期限が過ぎても設置しているホールに対するペナルティについて、「回収対象遊技機が撤去された日から起算して6カ月聞、中古遊技機(ぱちんこ遊技機、回胴式遊技機)に関する保証書の発給停止措置を講ずることができる」と決議したことを発表した。
中古機流通協議会は全日遊連、日遊協、日工組、日電協、全商協、回胴遊商で構成された、中古機流通制度を取り仕切る組織。今回の決議に沿って保証書が発給されなければ、構成団体で取り扱う中古機の流通が事実上、できなくなる。
(参考ページ)回収対象機の撤去期限違反店は6カ月間の中古機取り扱い停止に|遊技通信web
要するに、未撤去時のペナルティとして、6ヶ月間は中古台の入替が出来なくなるということ。
さらに、以前決定された業界7団体決議に沿うならば、今後、新台の入替に関しても同様の措置となる可能性はあると思います。
(参考ページ)遊技通信web|回収対象遊技機の回収・撤去について7団体がペナルティ等を決議
いずれにせよ、ペナルティに関しては、未だこれから何かしらの動きが出てくるかもしれません。
一方、警察の方はといえば、11月9日に開かれた余暇進の秋季セミナーで、警察庁保安課の津村優介課長補佐が行政講話を行い、その中で撤去問題に触れる発言をしています。
以下、重要な部分だけを抜粋してみることにしましょう。
著しく射幸心をそそるおそれのある遊技機を設置して営業することについて、風営適正化法違反となることは言うまでもありませんが、仮に製造業者が出荷段階でそのような遊技機に該当する性能変更に関与していたとしても、営業者がそのような遊技機を設置し続けることは、営業者として風営適正化法違反となる行為です。製造業者の関与があるからといって、営業者の風営適正化法上の責任が免責されるわけではありません。
(中略)
以上の内容を繰り返し、お伝えすることの意味は理解いただけると思います。警察としては、現在、業界を挙げた撤去の進捗状況等を注視しているところであり、その状況等に応じて必要があれば、所要の措置を講じることとなります。
業界の中では、年内に撤去を完了しなくとも警察が厳しい措置を執ることはないというような見解が一部にあると聞いています。この点、8月の撤去期限については業界が飽くまで自主的な目標として定めたものであるのに対し、年内撤去は警察が要請したものであることをよく理解していただきたいと思います。
(参考ページ)回収対象機 年内撤去は警察の要請/警察庁保安課・津村課長講話 |遊技日本
ポイントは以下の3点に絞られると思います。
-
撤去期限を守らないホールは風適法違反であるということ。
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撤去期限を守らないホールに対する行政処分の可能性を示唆していること。
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8月末撤去期限は業界団体による自主期限だが、12月末撤去期限は警察の要請であるということ。
そして、一つ忘れてはならないのがメーカーに対する行政処分の可能性のことです。
メーカーに関しては、検定規則11条2項違反による検定取り消しと、5年間、検定が受けれなくなるという規定があり、これが適用される可能性があります。
つまり、今回の撤去問題の12月末最終期限に関しては、ホールとメーカーの行政処分は対になっているのです。
12月末の撤去期限まで、あと1ヶ月と少しになりましたが、引き続き当サイトでは撤去問題の状況を注視し、動向をお伝えしていこうと思っています。
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