2016.07.01
【不正改造パチンコ台】パチンコ最終(第3次)撤去リストについて考察してみよう
先日、YAHOOニュースのトップ記事でも大々的に取り挙げられた不正改造パチンコ台の問題ですが、既に6月23日にパチンコ最終(第3次)撤去リストの方は公表されています。
そして、このパチンコ最終(第3次)撤去リストに関して、業界14団体で構成するパチンコ・パチスロ産業21世紀会が、6月29日に正式な記者会見を開きました。
そんな中で、今回は撤去リストの内容について少し考察してみたいと思います。
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ますは、先日開かれたパチンコ・パチスロ産業21世紀会の記者会見の内容について、大事な所を抜粋してみましょう。
回収期限は、第1次、第2次リストに記載されている機種については8月末、最終リスト(第3次リスト)に関しては年内までのようです。
ただし、第1次、第2次リストの撤去状況については、もう外されている、又は外す予定のものも含めて既に9割に達しているとのこと。
リスト記載の台の撤去・入れ替え方法については、リユースや、早く撤去に応じてくれた場合に優遇措置を取るようで、既存の回収センター経由で行われる模様です。
(参考ページ)遊技日本|業界14団体の声明で記者会見
さて次に、最終撤去リストの内容について考察してみたいのですが、その前に高射幸性遊技機リストなるものに触れておくことにします。
実は2015年10月時点で、全日遊連、日遊協、日工組、日電協、全商協、回胴遊商の6団体は「特に高い射幸性を有する遊技機」として、高射幸性遊技機リストというものを公表しています。
この時リストに挙げられたのは、パチンコ全21社、61機種でしたが、12月に新たに11社33機種が追加され、結局、全22社92機種の高射幸性遊技機リストが出来上がっています。
そして、リスト記載の機種に関しては、下取り等考慮し優先的に撤去していき、平成28年12月1日時点で撤去が進んでいない場合には、実効性のある適切な措置を講じるという6団体の合意が成されています。
つまり、今回のパチンコ最終撤去リストが発表される以前に、「特に高い射幸性を有する遊技機」を集めた「高射幸性遊技機リスト」というものが存在し、これらを優先的に撤去していくという業界の方針が既に存在していた訳です。
ところでなぜ最終撤去リストの考察をする前に、高射幸性遊技機リストの説明をしたのかというと、この二つのリストの内容が非常に似通っているからなのです。
以下に掲載する最終撤去リストを加工したデータを見て頂ければ、その辺りのことが分かるのではないかと思われます。
まず目を引くのが、ライトミドル級のスペックとして、わずかに2機種、「CRダブルライディーンWLA(1/256)」と「CRおしおきピラミッ伝TLA(1/168)」しかリストに挙げられていないこと。そして、甘デジに至っては1機種もリストに存在しないということでしょうか。
次にミドル級のスペックとしては、4機種、「CR大海物語3スペシャルMTE-1(1/348.6)」、「CRまわるんパチンコ大海物語3HMB(1/348.6)」、「CRヱヴァンゲリヲン8L(1/319.7)」、「CR野菜の王国~サニーとルナの大収穫祭~M(1/348.8)」が挙げられていますが、その他は全てMAXタイプの機種となっています。
もう一つ、前章に掲載されているデータの一番右端の列は、高射幸性遊技機リストにも記載されている機種に対して○印を付けているのですが、最終撤去リストと大部分重複していることが分かります。台数ベースで言うと、高射幸性遊技機リストと最終撤去リストは約82%重複しています。
以上のことを纏めると、今回の最終撤去リストは、元々存在していた高射幸性遊技機リストをベースにしてMAX機を織り交ぜ、少しミドルタイプを入れて作られたものであると言えるでしょう。
つまり今回のリストは、甘デジが一台も含まれていないことからも分かる様に、「MAX機を中心にした高い射幸性を有する機種を撤去するリスト」に成り下がっているということ。
当初の目標である「検定機と性能が異なる可能性のある遊技機のリスト」とはコンセプトがズレてしまっていることが分かります。
しかし現実問題として、本当に対象の機種を全台撤去しようとなると、とてもこれからの6ヶ月で完遂出来る筈もなく、メーカーの供給能力とホールの体力を考慮に入れた際の妥協点が今回のリストだったということでしょう。
本当に年末までの6ヶ月で、トラブルなしに全ての撤去回収作業を終えることが出来るのかという問題も含めて、まだまだ今回の撤去問題からは目が離せそうにありません。
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